東京のベトナム語教室コラム

中国とフランスの影響を受ける!ベトナム語のベースはラテン文字

過去1,000年以上中国の統治下にあり、第二次世界大戦後までフランスの植民地でもあったベトナム。そんなベトナムの言語は中国とフランスの影響を強く受けています。しかし、ベトナムで使用される文字は、ラテン文字をベースにしたもの。ここに独特の声調記号や母音記号を加えて表記します。

そんなベトナムの文字、ベトナム語の特徴をまとめてご紹介しましょう。

1.基本はアルファベット表記

ベトナム語の表記は、かつては漢字表記でした。これは1,000年以上にわたる中国当地の影響であり、今でも全体の6割ほどは漢字表記に置き換えが可能といわれています。しかし、現代ベトナムにおいて漢字表記はなく、ベトナム語はラテン文字がベースになっています。

ラテン文字ということは、基本的にアルファベット表記ということになり、表記自体は日本人にとっても大きな違和感はないでしょう。

1-1.ベトナム語にないアルファベットは4つ

アルファベット表記といっても、26文字すべてを使用しているわけではありません。アルファベットの中でベトナム語で使われていない文字は4つあり、「F」、「J」、「W」、「Z」の4文字を除いて22文字と、「Đ」という文字を合わせて23文字で構成されています。

1-2.声調記号

声調記号とは発音時の声の高低を表す記号で、この記号があるかないかで単語の意味も変わってきます。世界標準では数多くの声調記号が存在しますが、ベトナム語で使用されるのは、無表記を含めて6種類。

日本語にはない表記方法ですので、ここでベトナム語の勉強に躓く方も少なくありません。

1-3.母音記号

日本人がベトナム語を学ぶ上で最大の難関といってもいいのが母音の数です。ベトナム語の表記では、その単語の母音の位置に母音記号をつけますが、この母音の数に苦しむ方が多いようです。

日本語で母音といえば「ア・イ・ウ・エ・オ」の5種類ですが、ベトナム語は「a・â・ă・i・y・u・ư・e・ê・o・ô・ơ」と12種類の母音が存在します。発音別で分類すると
「ア」が3種類、「イ」、「ウ」、「エ」が2種類ずつ、「オ」が3種類存在します。

発音で苦しむのはもちろん、文字表記においては母音記号で苦しむケースも多く、ベトナム語の勉強をするのであれば、最初に取り組むべきポイントといえるでしょう。

2.文字は複雑でも表記は簡潔

一見難しそうに見えるベトナム語ですが、これは文字の種類が多いという点での難しさです。文字の種類ということであれば、ひらがな、カタカナ、漢字を駆使する日本語のほうがよほど難しいはずですので、まずは何とか文字の多さを乗り切るようにしましょう。

文字さえ覚えてしまえば、表記に関してはさほど難しくありません。その理由を解説しておきましょう。

2-1.文法がシンプル

ベトナム語を文法という観点で見ると、基本的には「SVO構文」であり、比較的シンプルな構成になっています。もちろん例外となる文章はありますが、さほど多くはありません。学生時代に多くの英語構文の文法を勉強したことを考えればさほどハードルは高くないでしょう。

2-2.単語が変化しない

英語の勉強で思い出されるのが単語の変化です。英語の場合、名詞には複数形があり、動詞には過去形や過去分詞系などがあります。しかも変化の仕方は一定ではなく、それらの単語の変化形を覚えるだけでも大変だったという方もいらっしゃるかと思います。

その点ベトナム語においては、単語は変化しません。語尾に「s」がついたり「ed」がついたりという変化がない分、比較的扱いやすい言語であるといえるでしょう。

3.日本人には難しい発音

ベトナム語の勉強をするにあたって、問題となるのが発音です。上記の通り母音が12種類存在したり、発音せずに口の形だけをするような無音の発音も存在します。このあたりは、日本人の多くが苦手と言われているフランス語の影響が残っている部分であり、ベトナム語を学ぶ際に悩むポイントといえるでしょう。

上で紹介した声調記号や母音記号も、ある意味発音に関する表記であり、それだけ発音は複雑であると考えて間違いありません。

4.絶対覚えた置きたい2人称代名詞

最後にベトナム語に欠かせない3つの代名詞を紹介しておきます。挨拶や文章などで使用する代名詞は、相手の性別や年齢で3つにわけられます。目上の男性に対して使用する代名詞が「アイン(anh)」、目上の女性に対しては「チー(chi)」、そして年下の方に使用する代名詞が「エム(em)」です。

多くの文章でこの3種類を上手に使い分ける必要があり、まず真っ先に覚えるべき単語ともいえます。相手に失礼がないように使いこなせるように覚えておきましょう。

5.まとめ

ベトナムは近年注目度が高い国です。旅行など観光目的であったり、将来的な移住先であったり、仕事の関係での付き合いであったり、日本との関係はどんどん強化されています。

2020年に新型コロナウイルスが世界中に蔓延すると、日本企業をはじめ多くの企業が中国でのモノづくりが難しくなり、大きな経済的ダメージを負いました。そのためサプライチェーンを見直す企業も増え、こういった企業がとくに注目しているのがベトナムです。

仕事や旅行などでベトナムが近い国となりつつある今こそ、ベトナム語を習得する大きなチャンスでしょう。東京などの大都市を中心に、ベトナム語教室もどんどん増えています。

一見とっつきにくいイメージのあるベトナム語ですが、ほかの言語と比較してもさほど習得が難しい言語ではありません。東京など都市部にお住まいの方、通勤されている方は東京都内にあるベトナム語教室などをチェックしてみてはいかがでしょうか?

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