東京のベトナム語教室コラム

ベトナム語の仕組みとは何か?発音や文法などの基本を紹介

「ベトナム語を学びたいけど、どんな仕組み?」「発音や文法はどうやってできる?」などと気になっていませんか。ベトナム語は英語とも違った独特な仕組みをもっているので、基本を押さえることが大切です。

今回はベトナム語を知りたい人のために、文字や発音、文法などの仕組みを紹介します。この記事を読めば、ベトナム語の大まかなイメージをつかみ、これからの学習に役立つでしょう。

1.ベトナム語の文字は?

ベトナム語の文字は、基本的にアルファベットを使います。ただし、F、J、W、Zはベトナム語では使わず、DにはĐもあります。

英語と違うポイントは、声調記号や母音記号を上下につけることです。たとえば「世界」はベトナム語で「thế giới」、音楽は「âm nhạc」といいます。通常のアルファベットに限らず、その上下に対して発音に応じた記号をともなう文字を織りまぜるのです。

このようにベトナム語の文字はアルファベットをベースにしながらも、声調記号や母音記号のような独自のルールがあります。

2.ベトナム語の発音は?

ベトナム語は発音も英語とは違います。基本はローマ字読みですが、声調や母音、末子音などに特別なルールがあります。発音の特徴をつかみましょう。

2-1.基本はローマ字読みに近い

ベトナム語の基本はローマ字読みに近いといえます。たとえば「こんにちは」を意味する「Xin Chao」は「シンチャオ」と読みます。他にも「ありがとう」は「Cám ơn」で「カムオン」と読むなど、外国語としては比較的読みやすいでしょう。

このようにベトナム語は、細い発音の違いこそありますが、ローマ字読みをベースにしているのが多いといえます。

2-2.6種類の声調がある

ベトナム語の発音の特徴として、6種類の声調があります。これは北京語の4つや、タイ語の5つよりも多数です。たとえば「a」だけでも「a」「à」「á」「ả」「ã」「ạ」に分かれています。

声調とは、単語ごとのイントネーションの上げ下げです。ベトナム語では6種類あり、単語ごとに正確なイントネーションをマスターできなければ、ネイティブには伝わりません。

ベトナム語をマスターするには、6種類のイントネーションを使い分けることが重要です。

2-3.母音は12個

ベトナム語には12もの母音があります。日本語では「ア・イ・ウ・エ・オ」の5種類ですが、ベトナム語では複雑な声調ルールにより、以下の12個に分かれているのが特徴です。

「a」「â」「ă」「i」「y」「u」「ư」「e」「ê」「o」「ô」「ơ」

たとえば同じ「mua」でも「買う」という意味はそのまま「mua」になります。しかし「雨」は「mưa」と少し発音が変わります。

アルファベットと記号の組み合わせに応じて柔軟に発音を変えなければ、相手に間違った言葉を伝えるかもしれません。発音の練習は英語よりも慎重に行った方がよさそうです。

2-4.ベトナム語独自の末子音

ベトナム語は特殊な末子音があります。たとえば「-p」と「[p]」、「-t」と「[t]」、「-c」と「[k]」といった区別は韓国語と同じです。しかしベトナム語独自の末子音として「-ch」と「[c]」もあります。

さらに「ん」だけでも、「-m」と「[m]」、「-n」と「[n]」、「-ng」と「[ŋ]」、「-nh」と「[ɲ]」の4種類に分かれているのです。

ベトナム語の末子音のルールは、韓国語のような他のアジア系言語よりも複雑なので注意しましょう。

3.ベトナム語の文法は?

ベトナム語には文法にもオリジナルの特徴があります。基本的に「SVO」という形をとっており、単語は変化しません。しかし「あなた」と「私」を意味する言葉が多いので使い分けに気をつけてください。文法で特筆すべきポイントを3つにまとめました。

3-1.文法は基本的にSVO

文法は「SVO」が基本です。これは「主語+動詞+目的語」を意味します。たとえば「私はりんごを食べる」だと「Tôi ăn táo」(トイ・アン・タオ」と書きます。このようにベトナム語の文法構成は英語と同じと考えましょう。

3-2.単語が変化しない

ベトナム語の特徴として、単語が変化しないことが挙がります。たとえば英語だと「食べる」を意味する「eat」は、三単現の「eats」、過去形の「ate」、現在分詞系の「eating」などに変化します。しかしベトナム語にはそれがありません。

「食べる」を意味するベトナム語の「ăn」は、現在形や過去形などの文法の変化にかかわらず、常に同じつづりによる表現を受けます。このようにベトナム語は発音ルールが複雑ですが、時制による言葉の変化はありません。

3-3.「あなた」と「私」を意味する言葉が多い

ベトナム語は「あなた」と「私」を指す言葉が多く、状況によって使われる単語が違います。英語ではそれぞれ「You」と「I」だけで表現できますが、ベトナム語では男性や女性、年下などの違いに応じて言葉を使い分ける形です。

たとえば同じ「あなた」でも、自分から見て年上の男性なら「anh」(アイン)と呼びます。しかし女性なら「chị」(チ)という表現です。

テキストではこのように二人称だけが変わり、一人称の「私」が「tôi」だけを用いることが多いといえます。しかし実際は一人称でも状況により用いる言葉が変わる形です。一人称と二人称の表現は、ベトナムにおいて英語より複雑といえます。

4.まとめ

ベトナム語には英語にはないさまざまな特徴があります。12個もある母音や、時制を問わず変化しない言葉など、英語では見られない言語のルールを経験するからです。

ベトナム語の文法は英語と似ていますが、発音や細かい表現などのルールが複雑です。このような基本的な仕組みを意識しながら、ベトナム語をマスターしましょう。

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